AppleがMacbook ProやMacbook Airで「eGPU」を採用したことで外付けグラフィックボードがノートパソコンでも使えるようになりました。eGPUとは、External Graphic Processing Unitの略で「外付けグラフィックプロセッサー」のことを指しています。
eGPUとPCを接続することでゲームや動画編集のグラフィックパフォーマンスを大幅にアップグレードできます。
目次
eGPUとは?!
- 外付け(extend)グラフィックプロセッサー(GPU)をeGPUと指す
- GPU BOX + GPU(本体)の2つで構成されている
- Windows & Macをサポートしているケースが多い(Macに関してはM系チップを除く)
- Thunderbolt 3またはThunderbolt 4をサポートしていること
GPUは主にゲームや動画編集のような大量の画像描画が必要な際に計算処理を行うグラフィックプロセッサーです。
あまり知られていませんがIntelやAMDのCPUを搭載しているPCには、ほぼ100%の確立でGPUが内蔵されています。
しかし、内蔵GPUだけでは描画処理性能が不十分のため、追加でGPUを購入してパソコンに刺すことでグラフィック処理性能を大幅にパワーアップさせることができます。
- Thunderbolt 3 または 4 に対応したパソコン
- eGPU BOX
- GPU(本体)
- Thunderbolt 3 ケーブル または Thunderbolt 4 ケーブル
PCとeGPUの接続はThunderbolt 3ケーブルまたはThunderbolt 4ケーブル1本で接続できます。これなら初心者でも簡単に使うことができますね!
eGPU側のHDMIポートやDisplayPortとディスプレイを接続すれば、デスクトップパソコンのように使うこともできます。ノートパソコンとeGPUを接続するとThunderboltケーブル1本で充電もできます!
Thunderbolt3または4に対応していれば、デスクトップパソコンでもeGPUを使うこともできます。デスクトップパソコンとノートパソコンの2台持ちの方にはeGPUはかなりオススメです。
eGPUはメリットしかない!
- ノートパソコンにGPUを増設できる
- 簡単にGPUの交換やアップグレードできる
- モバイルノートパソコンでも利用できる
- eGPUを複数のパソコンで共有できる
- どこでも設置できる
昔はGPU搭載のPCはデスクトップパソコンしかありませんでしたが、現代にはゲーミングノートパソコンがあります。ゲーミングノートパソコンは便利なのですが、軽くても1.5kg以上するため正直家の中で持ち運ぶのが限界です。
昔と比べるとGPUの耐久性は向上していますが、GPUは熱に弱いため故障しやすいパーツでもあります。ゲーミングノートパソコンの場合、ユーザー自身でGPU交換ができないためメーカー修理となります。
購入から3,4年経過しても数万円(3~10万円)程度の修理費用が掛かるかつ、購入時と同じGPUしか搭載できないため、実はコスパがかなり悪いです。
eGPUであれば、eGPU自体の冷却性能が優れているので安心して利用できます。更にeGPUの多くはユーザー自身でGPUの差し替えが出来るので、GPUが故障した場合も安価に対処ができます!
eGPUを利用するためにはThunderbolt規格に対応したPCが必要
ノートパソコンでもデスクトップパソコンでもeGPUを利用できますが、必ず Thunderbolt 3 または Thunderbolt 4 をサポートしたパソコンが必要です。よくThunderbolt 3 と USB Type-C は形が全く同じため同一と考える方がいらっしゃいますが、別物なので注意が必要です。
Mac OSユーザーの場合は、GPUがAMD製のみしかサポートしていません。NVIDIA製のGPUはサポートしていないため利用できません。(使う方法もありますけど…)
Apple M1チップを搭載したMacbook Air や Macbook Proに関しては、eGPUをサポートしていませんので利用できないので注意が必要です。
eGPUラインナップ・オススメeGPU
- GPUレスモデル(GPUは別売)
- GPU内蔵モデル(GPUは交換不可)
eGPUには大きく分けて2つのラインナップがあります。
1つ目はGPUレスモデルです。eGPUケースのみを購入することとなるため、別途ご自身でGPUを購入する必要があります。ほとんどのGPUレスモデルがNVIDIA製GPU、AMD製GPUの両モデルに対応しているので、好みのGPUを購入することができます。故障時やアップグレード時にもGPUの交換が可能です。
2つ目はGPU内蔵モデルです。こちらはeGPU+GPUがセットになったモデルです。購入後、パソコンと接続するだけで使えるようになるため初心者にオススメです。GPUレスモデルと比較するとトータルコストが安価な傾向がありますが、故障時に“交換不可”のため故障時にeGPUを流用できません。
eGPUオススメ・人気モデル
・製品名 | Razer Core X Chroma eGPU BOX (700W) |
・サポートOS | Windows / Mac (M系チップモデルを除く) |
・サポートGPU | NVIDIA製 / AMD製 |
・電源容量 | 700W |
・GPU最大消費電力 | 500W |
・USB Power Delivery | 100W |
・GPUサイズ | フルレングス(デスクトップ用OK) |
・ポート類 | ー |
・イーサネット | 1Gbps |
・製品名 | AKiTiO Node Titan 650W (AMU-AKTNPTNT3) |
・サポートOS | Windows / Mac (M系チップモデルを除く) |
・サポートGPU | NVIDIA製 / AMD製 |
・電源容量 | 650W |
・GPU最大消費電力 | 500W |
・USB Power Delivery | 85W |
・GPUサイズ | フルレングス(デスクトップ用OK) |
・ポート類 | ー |
・イーサネット | ー |
eGPU製品を積極的にリリースしているのがAkiTiOです。老舗パソコンパーツメーカーOWCのThunderbolt製品を扱うブランドとなります。必要最低限の機能に絞ったことでコストパフォーマンスを両立したモデルとなります。熱処理も優れているため、高いグラフィック性能を必要とする作業でも処理落ちが少ないと言われています。
・製品名 | SONNET eGPU Breakaway Box 750 |
・サポートOS | Windows / Mac (M系チップモデルを除く) |
・サポートGPU | NVIDIA製 / AMD製 |
・電源容量 | 750W |
・GPU最大消費電力 | 375W+100W(ピーク時475W) |
・USB Power Delivery | 85W |
・GPUサイズ | フルレングス(デスクトップ用OK) |
・ポート類 | ー |
・イーサネット | ー |
コスパ良くeGPUを実現することができます。接続可能なGPUもメーカー公式HPに記載があるため、安心して購入できます。
・製品名 | TREBLEET 外付けGPU(eGPU) Thunderbolt 3 600W |
・サポートOS | Windows / Mac (M系チップモデルを除く) |
・サポートGPU | NVIDIA製 / AMD製 |
・電源容量 | 600W |
・GPU最大消費電力 | - |
・USB Power Delivery | 85W |
・GPUサイズ | フルレングス(デスクトップ用OK) |
・ポート類 | Thunderbolt3/USB4 ×2ポート USB-C(10Gbps)×1ポート USB-A(10Gbps)×1ポート MVMe×1スロット |
・イーサネット | ー |
2023年10月から国内Amazonでの取り扱いが開始されたeGPUとなります。USBポートが豊富なのでドッキングステーションとしても活用できます。国内での情報がほぼありませんがコスパに優れているのは間違いなさそうです。
・製品名 | SPARKLE TBX-750FA Thunderbolt 3 eGPU BOX |
・サポートOS | Windows / Mac (M系チップモデルを除く) |
・サポートGPU | NVIDIA製 / AMD製 |
・電源容量 | 750W |
・GPU最大消費電力 | 500W |
・USB Power Delivery | 85W |
・GPUサイズ | フルレングス(デスクトップ用OK) |
・ポート類 | USB 3.1 Gen 1 Type-A (5Gbps)×5ポート |
・イーサネット | Gigabit Ethernet×1 |
最大消費電力が500WでハイエンドのGPUも搭載できます。スペック重視であればオススメです。
・製品名 | SPARKLE TBX-240FU Thunderbolt 3 eGPU BOX |
・サポートOS | Windows / Mac (M系チップモデルを除く) |
・サポートGPU | NVIDIA製 / AMD製 |
・電源容量 | 240W |
・GPU最大消費電力 | 150W |
・USB Power Delivery | 45W |
・GPUサイズ | ハーフレングス(デスクトップ用OK) |
・ポート類 | USB 3.2 Gen2 × 2 |
・イーサネット | Gigabit Ethernet×1 |
省スペースボディなので手狭な環境でも設置が可能です。消費電力が150W程度なのでハイスペックなGPUの搭載には向いていません。
・製品名 | Cooler Master MasterCase EG200 Thunderbolt 3 |
・サポートOS | Windows / Mac (M系チップモデルを除く) |
・サポートGPU | NVIDIA製 / AMD製 |
・電源容量 | 550W |
・GPU最大消費電力 | ー |
・USB Power Delivery | 60W |
・GPUサイズ | フルレングス(デスクトップ用OK) |
・ポート類 | USB-A 3.2 Gen2 × 3 |
・イーサネット | Gigabit Ethernet×1 |
ゲーミングデバイスを多数発売しているCooler Master製のeGPUです。冷却性能に非常に優れているのが特徴です。その分、価格も少し高めとなります。
用途にあったeGPUを購入することをオススメします。
ゲーム用途の方はUSBポートやイーサネットポートが付いているモデルがオススメです。
基本的にGPU内蔵モデルは割高になる傾向があるので、吟味して購入した方がいいかと思います!